
マンションが戸建てと違うところは、ほかの住人と共有している部分があるという点です。エントランスや廊下など目に見える部分だけでなく、トイレの水やキッチン、お風呂などの水が流れる配水管も、ほかの住人達と共有しているのです。
そのような構造上、トイレの修理が必要になった際に、ほかの住人に迷惑をかけないように知っておくべきことがあります。また、トイレをリフォームしたい場合にも、マンションだからこそ構造上気をつけるべきことがあるのです。今回は、マンションのトイレの構造について解説します。
1.万一の故障やトラブルに備えて知っておきたいトイレの構造
マンションは戸建てと違い、各部屋の専有部分の排水管がマンションの別世帯と共有部分でつながって合流します。排水管とは、家庭から出る不要な水を流す管のことです。
各家庭からです不要な水には、キッチン・お風呂・洗面所・洗濯機から出る「雑排水」、トイレの「汚水」、バルコニーや屋根を流れる「雨水」の3種類あります。
雨水は、雑排水や汚水とは別の配管を通って排水されますが、雑排水と汚水をどのように排水するかによって、次の2種類の構造にわけられます。
1-1.合流式

雑排水と汚水を同じ排水管で流す構造が「合流式」です。古くに建てられたマンションに多い構造です。どこか2ヶ所で排水管がつまったり逆流したりすると、被害が拡大してしまうのが合流式です。たとえばトイレがつまってしまった場合、浴室の排水口から汚水や雑排水が逆流してしまう恐れがあります。
1-2.分流式
雑排水と汚水をそれぞれ別の専用排水管に流す構造が「分流式」です。さらにつまりやすいキッチンからの排水を、専用の排水管にしている場合もあります。
合流式に比べて設置費用がかかるのがネックですが、住人にしてみたら、合流式に比べてつまりにくいのはメリットでしょう。最近建てられたマンションは、分流式を多く採用しています。
2.マンションのトイレのトラブル時は・・・

合流式でも分流式でも、自室のトイレが故障してしまったら、放置せずに速やかに修理しましょう。ほかの住人と排水管がつながっている以上、どこに迷惑をかけるかわかりません。
共有部分のトイレなら管理費で修理しますが、専有部分のトイレなら住人が修理費は負担します。修理業者は、マンション全体で決められた会社がある場合もあります。規約をよく読んでおくと、万一のときも落ち着いて修理が依頼できます。
3.リフォームするなら知っておきたいトイレの配管の構造
マンションのトイレの排水構造は、2種類あります。トイレをリフォームしたいと思ったときに確認する必要があるので、チェックしておきましょう。
3-1.床排水

トイレの便座下から床に配水管がつなげられているのが「床排水」です。戸建てのトイレは、基本的に床排水です。また、最近建てられるマンションも床部分にスペースがある場合が多いので、床排水のトイレが主流でです。
3-2.壁排水
トイレの便座の背面から壁に配水管が伸びているのが「壁排水」です。床排水のトイレと異なり、壁に伸びる配水管が見えることで見わけられます。
現在発売されているほとんどの新型トイレは、床排水モデルと壁排水モデルの両方が用意されていますが、リフォームする際には、床排水・壁排水それぞれに対応するものを選びましょう。
4.マンションでのトイレのリフォームの注意点は?
マンションのトイレが古くなった、故障したから新しいものにしたいなどリフォームを考える際に、マンションの構造上気をつけるべき点があります。構造は、マンションごとに異なります。リフォームにあたっては、プロの業者に任せることで、マンションの構造に合ったリフォームが提案してもらえるでしょう。
4-1.水圧をチェック

戸建てと違って高層階まであるマンションの場合、階が上がるほどトイレの水圧は弱くなります。設置したいトイレがあっても、水圧が足りないこともあります。とくにタンクレスのトイレだと、水圧が足りないということになりやすいです。その場合は、水圧を強くする加圧装置をつけるか、タンク一体型のトイレにするかになります。
4-2.マンションのトイレの配管の傾斜の問題
マンションのトイレの配管は、建設時に初めて設置したトイレに合わせた傾斜になっています。そのため、少ない水で流す節水タイプのトイレにリフォームした場合、傾斜が足りずに流れず、つまってしまうこともあります。マンションのトイレの配管構造が節水タイプに対応するか、確かめる必要があります。
5.まとめ

マンションは戸建てとは違って、ほかの住人と共有している部分も多く、迷惑をかけることのないように気をつけて生活していかなければなりません。
排水管もほかの住人とつながっているので、トイレが故障したりつまったりした場合には、放置せずすぐに修理するようにしましょう。リフォームしたい場合には、元々のトイレの配管構造が「壁排水」か「床排水」かをチェックするほか、水圧や排水管の傾斜なども調べてトイレを選ぶことになります。
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